島根県では、出雲大社や松江城、玉造温泉、隠岐諸島など、観光のイメージが強いです。
でも、安来市や奥出雲町では「たたら製鉄」という鉄の話しを耳にします。
なぜ、中国山地の山奥に、鉄の技術が存在するのでしょうか?
クラシカルは、そんな以前から思っていた、疑問について調べてみました。
島根で鉄づくりが盛んであったのは!
現在の島根県奥出雲町一帯が、たたら製鉄の生産拠点であったのです。
奥出雲町一帯が盛んであった理由?
盛んであった理由は「砂鉄」と「木炭」の調達にあります。
奥出雲町一帯では、たたら製鉄に必要な、原料(砂鉄)が豊富であったこと。
そして、燃料(木炭)が容易に調達できたことです。
盛んであった理由を具体的にすると!
所説ありますが、
日本の製鉄は、弥生時代(紀元前10世紀頃から紀元後3世紀頃)に、朝鮮半島より原料がもち込まれ、吉備地方(岡山県と周辺)から、日本の鉄づくりが始まったとされます。
ただし、確かなものとしては、
6世紀頃(古墳時代)に、国内での製鉄が始まり、島根邑南町と雲南市では、この時代の製鉄遺跡が発見されています。
鉄づくりの原料は、創世記では磁鉄鉱(鉄分を含む鉱物)でした。
その後(6世紀後半)、原料は「砂鉄」へと移り変わり、たたら製鉄として進化をします。
そして、たたら製鉄は、この地から日本各地へと伝播したとされます。
たたら製鉄の由来
たたら製鉄とは、古代から明治初期にかけて、日本国内で発展した製鉄法です。
また、たたら製鉄に欠かせないのが、鞴(ふいご)の存在なのです。
鞴とは、気密性の高い空間に、空気の流れをつくる器具です。
その気密性の高い炉にむけて、空気を送り込む器具(鞴)が「たたら」と呼ばれたそうです。
現在では、日本の製鉄技術を「たたら製鉄」と言われ、広い意味として使われます。
特徴
粘土で作られた炉に、原料に「砂鉄」と、燃料には「木炭」を用います。
そして、現代にくらべ比較的低温で、原料(砂鉄)を還元して鉄にします。
そのことで、不純物が少なく、純度の高い鉄が生産できます。
たたら製鉄の特徴は、
原料の砂鉄を、低温で長時間かけ還元することで「純度の高い鉄を生産」する技術なのです。
島根県は国内50%の生産量
たたら製鉄の最盛期は、江戸時代後期から、明治時代の初めです。
この頃は、幕末から明治維新になり、国の政策が工業に移る時期です。
この最盛期では、島根県での生産量は、国内の半分以上を占めたと言われます。
それぐらい、島根県では鉄の生産が盛んでありました。
鉄の歴史博物館
雲南市吉田町には、最有力な鉄山師(今でいう製鉄経営者)の田部家があります。
その田部家では、室町時代には、製鉄を始めたそうです。
鉄の歴史博物館(雲南市吉田町)では、たたら製鉄の歴史や技術をテーマに、鉄が果たした役割などを、展示やくわしく説明してくれます。
館内は、1号館と2号館に分かれています。
- 1号館「たたら製鉄とその技法」
- 2号館「鉄山経営と鍛冶集団」
それぞれをテーマに、島根県で伝統的に行われていた、たたら製鉄を現代に伝える、重要な施設なのです。
まず、鉄の歴史博物館に着くと、復元操業のビデオ上映があります。
このビデオは、当時の製造工程の記録とともに、当時の苦労がとても詳しく説明されています。
1号館では、
石や木の道具から、鉄の「くわ」「すき」などの道具を手にし、人々の生活の移り変わり。
また、たたら製鉄は、1度の操業は、3日から4日間続き、不眠不休の激務であった。
そして、技師長や、技師たちの努力が、たたら製鉄の発展をささえた。
2号館では、
たたら製鉄に関わった人々、鉄が生活浸透するのにどの形を変えたのか、流通や物流など。
田部家に残されている豊富な資料を通じて、丁寧に伝えています。
鉄の歴史博物館のご案内
アクセスも便利になり、松江自動車道 雲南吉田ICより、車で約5分です。
ホームページ
https://www.city.unnan.shimane.jp/unnan/kankou/spot/iseki/musium09.html
まとめ
島根で鉄づくりが盛んであったのは、
奥出雲町一帯が、たたら製鉄の生産拠点であった。
奥出雲町一帯が盛んであった理由は、
たたら製鉄に必要な、原料(砂鉄)と、燃料(木炭)が容易に調達できた。
理由を具体的にすると
古墳時代には、国内での製鉄が始まり、島根邑南町と雲南市では、製鉄遺跡が発見されている。
さらに、たたら製鉄の最盛期(幕末~明治時代初期)では、島根県の生産量は、国内の半分以上を占めたと言われる。
たたらの由来は
たたら製鉄に欠かせないのが、鞴(ふいご)の存在です。
気密性の高い炉にむけて、空気を送り込む器具(鞴)が「たたら」と呼ばれたそうです。
現在では、日本の製鉄技術を「たたら製鉄」と言われ、広い意味をもちます。
特徴は
たたら製鉄とは、砂鉄を低温で長時間かけて還元することで、純度の高い鉄を生産する技術をいいます。
島根の山奥で、鉄づくりが盛んであったのは、はじめて知りました。
そして、たたら製鉄は、純度の高い鉄を生産する技術が優れていたこと。
ただし、その製造工程は、3日または4日間つづき、不眠不休の激務であった。
鉄づくりは生活に革新を起こし、最有力な鉄山師(田部家など)は、たたら製鉄の発展を導いたこと、技師長や技師たちが製鉄の技術として支えたこと。
それらが伝わり、たたら製鉄のロマンとして感じます。
ぜひ「鉄の歴史博物館」に、足を運んでください。
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